53歳おじさんの心筋梗塞 備忘録 その2

胸の痛みに悶絶

 

2020年8月下旬夕刻。

場所は事務所として借りているアパートの一室。

独りデスクワーク中に、なんの前触れもなく急な胸の痛みに襲われる。

その時は、心臓が痛いという感覚ではなく、ただただ胸の真ん中辺りが痛い。

自分の体だから、どこが痛いかはなんとなくだけどわかる。

心臓の痛みではないなと高を括る。

何か強烈な胸やけにも似た感覚。

今までに体験したことのない感覚。

痛くて苦しい感覚。

ただ意識はしっかりとあったので、椅子のリクライニングを倒し横になってみる。

この痛みはなんだろうと考えながら、ひたすら痛みが引いてくれるのを待つが、まったく収まる気配はない。

部屋が暑かったので、熱中症とか脱水症状とかそんなことを疑ってみる。

もしかしたらコーヒーの飲み過ぎで、カフェイン中毒かなにかとも考えた。

この経験した事のない胸の痛みは普通じゃないから、明日にでも病院行って診てもらおう。

とにかく早く痛みが治まってくれと願ったが、むしろ痛みは増してくる。

すると今度はムカムカと気持ちが悪くなり、吐き気を模様してきた。

トイレに駆け込み吐こうとするが、全く吐けない。

吐き気ってことは、食あたりとか食中毒とかを疑った。

トイレから出ると、今度は床に寝転んだ。

冷汗が噴出してYシャツはびしょびしょに。

なんだろう?なんだろう?痛みの原因を色々と考えてみたが、これが心筋梗塞だとは微塵も思わなかった。

2時間程、床で悶絶していたが痛みは引く気配なし。

このままこの場所に居るわけにもいかないので、とりあえず自宅に帰る決心をした。

 

この時、私本人は心筋梗塞だとは思っていなかったのと、意識がしっかりしていたので「生死」についての不安は全くありませんでした。